遺留分請求と40年前に贈与された畑が特別受益となるか
- tsutaekatalabo
- 8月13日
- 読了時間: 2分
更新日:8月19日
被相続人が不動産全てを兄へ相続するとの遺言。その理由が、兄が相続する不動産と40年前に妹に贈与された畑の現在の価値が同じであるため。
兄の相続不動産
被相続人と兄が同居していた土地約400m²と建物
相続税申告時における路線価評価の問題点として、特定居住用宅地等の特例により330m²まで、80%の評価減がされているため、時価評価。
被相続人が保有していたアパート土地約300m²と建物
200㎡までの部分について評価額を50%減額 されており、相続税申告時の評価額と倍近くの差があり、時価評価。
次男が40年前に贈与された畑
40年前に家庭菜園として贈与を受けた畑が特別受益として生活資本のための贈与となるか。
生活の基盤を築くための財産的援助としての生活資本のための贈与が、特別受益
現在宅地開発が行われ、最近道路がついて、非常に価値の高い土地となっている。40年前に家庭菜園として贈与を受けた畑は、野菜栽培という趣味のための贈与であった。
• 生計の資本としての贈与
贈与が「生計の資本」に該当するかは、以下の観点から総合的に判断される。
①贈与金額や資産の規模が大きく、一時的支援の域を超えているか
②受贈者の社会的地位や経済状況に照らして、生活基盤形成を目的としたものか
③継続的な扶養義務の範囲を逸脱し、長期的な自立支援として受け取られているか
• 40年前に贈与された畑が生計の資本に該当するか
40年前には、畑を家庭菜園用に被相続人から「弟」に贈与されたものである。家庭菜園用に贈与された畑が、前記①、②、③には該当しない。贈与された土地は家庭菜園であったため、趣味のための贈与と考えられ、生計の資本としての贈与とは考えられないため、特別受益に該当しないと考えられる。
コメント